鈴木 恵子

IMI研究員
税理士

○税理士をめざして
○妻の収入と税金(2000.6)
○マイホームの名義と税金(2000.7)
○マイホーム購入は税金等も考えて(2000.8)
○災害にあったときの税金(2000.9)
○年金を受け取ったら(2000.11)
○源泉徴収票をよく知ろう(2001.1)
○住宅取得資金の贈与枠拡大(2001.5)









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災害にあったときの税金

  三宅島の噴火、東海豪雨による被害を受けた皆様 心からお見舞い申し上げます。
 このような非常時には税金どころではありませんが、控除や軽減の制度が
 あります。自分に有利な方を選択して免除、減税を受けたり、申請により
 納税を猶予することができますので、ご親戚や友人で被害を受けた方があれば
 声をかけてください。

 I 納税の猶予
    
  災害により相当の損失を受けた場合等、申請により納税の猶予を受けることが
 できます。納税の猶予が認められると、その猶予期間中は延滞税が免除されます。
 


















 

 
 災害により相当の損失を
 受けた場合
    災害を受けたことにより
    納付が困難な場合

条件
 
全財産のおおむね20%以上の
損失を受けた人
 
災害により被害を受けたため国税を一時に納付することができないと認められる人
猶予期間








 
損失を受けた日に納期限が到来し
ていない国税
@ 損失を受けた日以後1年以内に 納付すべき国税
 ・・納期限から1年以内
A 所得税の予定納税や法人税・
 消費税の中間申告分
 ・・確定申告書の提出期限まで

 
既に納期限が到来している国税で一時に
納付することができないと認められる
国税
 原則・・1年以内
 例外・・猶予の期間内に納付が困難なら  申請により原則の猶予期間と
    あわせて2年を超えない範囲内
    で延長

 
提出書類


 
災害がやんだ日から二ヶ月以内に
「納税の猶予申請書」及び
「被災明細書」を提出
 
「納税の猶予申請書」を提出
 左と異なり申請の期間制限なし

 

 II 申告・納税の期限の延長
 

  災害により申告、納付等をその期限までにできないときは、その理由がやんだ日
 から 2ヶ月以内に限りその期限が延長されます。
 
 @ 地域指定
   国税庁長官が地域と期日を指定するものです。官報に告示されます。
   地域内に納税地のある納税者は申請手続なく、申告・納付等の期限が延長され
   ます。三宅村、神津島村、新島村の群発地震による災害については8/11付で
   告示されています。(期限は後日別途告示)
   東海地方(指定地域)の豪雨災害については9/29付で告示されてます。
   (12. 9/11
から11/14までの間に到来する申告、納付等の期限が11/15まで延長)
 A 個別指定
   地域指定されていない場合、所轄税務署長に申請し、承認を受けます。


 III 予定納税の減額申請

  所得税の予定納税をする人で災害により損失を受けたときは、減額申請により
 確定申告前にその減額をうけることができます。 
  災害を受けた日            減額申請





 
@1/1〜6/30

 
6月30日の現況により見積もったその年の所得税の額が
予定納税基準額に満たないときは7月15日までに減額申請が
できる。第1期、第2期分の予定納税額が軽減免除される。
A7/1〜10/31

 
10月31日の現況によりその年の所得税の額を見積もり
11月15日までに第2期分の減額申請ができる。
 





 
 7/1〜12/31




 
次のa・bいずれにも該当するときは災害を受けた日において
見積もった所得税の額(所得税の軽減額の計算による見積額)が
予定納税基準額に満たないときは災害があった日から二ヶ月以内
に第1期分又は第2期分の予定納税額の減額申請ができる。
a、住宅や家財の損害額がその価額の1/2 以上であること
b、その年の合計所得金額の見積額が1000万円以下であること
 ・予定納税基準額とは前年分の総所得金額に対する所得税額(臨時的な部分は除く) に基づき計算した金額


 IV 源泉徴収の徴収猶予

  サラリーマンの源泉所得税についても、徴収猶予や還付を受けることができます。

  上記IIIの災免法のa、bのいずれにも該当するときは所得金額の見積額に応じ、
  源泉所得税額の徴収猶予や還付を受けることができる。
  ★徴収猶予 災害を受けた日以後、最初に給料の支払いを受ける日の前日までに
        勤務先を経由して徴収猶予の申請書を税務署長に提出
  ★還付   還付申告書に還付を受けようとする税額が徴収済みであることの
        勤務先の証明書を添付し税務署長に提出
  a、b に該当しないときも雑損控除の適用があると見込まれる時はその雑損失の
  金額に対応する源泉所得税額が徴収猶予される

 V
 雑損控除・災害減免法による所得税の軽減免除
   
  震災・風水害・火災等により住宅、家財などに損害を受けたときは、次の雑損
 控除か災害減免法における軽減免除のうち有利な方を選ぶことができます。
 確定申告で行います。
































 
  所得税法(雑損控除) 災害減免法
損害の原因
 
  災害・盗難・横領
 
  災害
 
対象となる
資産



 
生活に通常必要な資産
<例>住宅・家財・衣類・現金
   日常、使用する自動車(注5)
(注1)次のものは除く
 ア 棚卸資産、事業用固定資産
 イ 生活に通常必要でない資産(別荘等)
 ウ 山林
住宅や家財で損害金額
(保険金等で補てんされる
金額を除く)が
住宅や家財の価額の
1/2以上
 
控除額
 又は
軽減額




 
控除額
 @とAのうちいずれか多い方の金額
@(損害金額(注2)−補てんされた保険
  金額など)−所得金額の1/10
A災害関連支出(注3)の金額−5万円


 
軽減額
その年の    所得税の
 合計所得金額  軽減額
・500万円以下  全額免除
・500万円超   1/2の軽減
 750万円以下
・750万円超   1/4の軽減
 1000万円以下
条件その他


 
災害関連支出についての領収書を
確定申告書に添付又は提示

 
その年の合計所得金額が
1000万円以下の人に限る
確定申告書に「損失額の明細
書」を添付
繰越控除

 
その年の所得金額から控除しきれない
金額は翌年以後3年間の繰越控除が
認められる
繰越控除の規定なし

 
比較

 
一般的に損害金額が多額で翌年以降も
所得税額がある人は雑損控除が有利
 
合計所得金額が500万円以下
で繰越がないなら災免法が有利
比較例



 
所得400万円 夫婦2人 (注4)
 損害がない時の所得税額 200,800 
 損害額100万円所得税額  152,800
       200万円         72,800
      500万円 (翌年繰越)    0 ※


左記の損害額  0  ※
のときの      0  ※
所得税額     0
(注1)ア−事業所得の必要経費となる  イ−その年分又は翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除される  ウ−事業所得・山林所得の必要経費となる      
(注2)損害金額=被災直前の時価−被災直後の時価−廃材価額+災害関連支出の金額
 計算が困難な場合は簡易計算の方法あり  
(注3)災害関連支出とは災害により損壊した住宅・家財などの取壊し費用、除去費用
又は災害後1年以内にした土砂・障害物の
  除去費用、原状回復費用、(資本的支出は除く)などをいう  
(注4)税額は12年度実施される定率減税後の税額 社会保険料控除30万円
生命保険料控除5万円として計算 ※印が有利
(注5)趣味、娯楽、事業用の自動車は別の取り扱い

 一日も早い復旧や新しい生活が少しでも支障なく始まることを願うとともに
 台風の時期ですので改めて警戒を強め、用心したいと思います。

                                  (平成12年9月) 

○税理士をめざして
○妻の収入と税金(2000.6)
○マイホームの名義と税金(2000.7)
○マイホーム購入は税金等も考えて(2000.8)
○災害にあったときの税金(2000.9)
○年金を受け取ったら(2000.11)
○源泉徴収票をよく知ろう(2001.1)
○住宅取得資金の贈与枠拡大(2001.5)