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ミーちゃん有難う、私達はお前を忘れない
- 愛猫日記
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2002・10・31(木)
フーは家にいたが、ミーはいつもの通り朝早く(午前5時頃)出たきり姿を見せなかった。昼近くになっても帰ってこないので、仕方なくフーだけ病院に連れて行き注射を済ませた。戻ってすぐに妻に聞いた。 「ミーは帰ってきた?」 「まだなの」妻が言った。 不吉な予感がした。 早朝出て行くのはいつもの習慣だが、2〜3時間でご飯を食べにかならず帰って来ていたからである。「いい天気だし、のんびり遊んでいるんじゃないの。今迄も時々帰って来ないこともあったし」妻が不安を打ち消すように言った。 「注射されるのが嫌で帰って来ないのかな・・・」冗談まじりで言ったものの顔はこわばっていた。(ミーはカゴに入れられるのを異常に怖がった) 付近を捜し始めた。行きそうな場所、道路、怪しまれそうだったが近所の庭の中まで覗きこんだ。しかし、ミーの姿は何処にも見当たらなかった。 道路に血痕がないか見て歩いた。黒い痕が見えると胸がドキリとした。 ミーは臆病な性格で他人には近づかないし、他の動物(犬等)や車の音も大嫌い、 いつも耳をそば立て、ちょっとの音にも反応して敏捷に動いていたから事故死 なんかある訳がない&K死に悪い予感を打ち消そうとしたが、不安は募るばかりだった。猫は2〜3日ぐらい帰らない事はよくあることだし、1ヶ月位経って ひょっこり帰って来たという話もよく聞く。 しかし、ミーに限っては考えられないことだった。オス猫だが、生後6ケ月で 手術をしており遠くへ行くこともなく、家を空けたことは一度も無かったから。 そうだ! 人影か物音にびっくりして、戸の開いているどこかの物置にでも入って閉じ込められたかも知れない。あり得る事だと思った。 秋の日は短い。辺りはいつの間にかすっかり暗くなっていた。夕食を済ませ懐中電灯を持って再び周辺を捜し廻った。ミーと呼びながら・・・。 小さな音にも耳をすませた。チリリと鈴の音のように聞こえた。近づいたが何もいない、虫の声だったかも知れない。 懐中電灯を照らしながら徘徊し、時々他人の庭を覗いている男の姿を見た人は怪しいと思ったに違いない。しかし、じっとしていられなかった。 何時間歩いたのか分からない。とてつもなく長い時間に思えた。落ち着かぬまま家に戻り、ミーがいつでも家の中に入ってこられるように、いつも出入りしている戸を開けたまま待った。 2002・11・1(金) まんじりともしないまま夜が明けた。帰って来た気配はなかった。この日は朝から冷たい雨が降っていた。「ミーを見かけたら教えて下さい」 親しくしている隣家のNさんに電話を入れ、状況を説明した。そして、急ぎチラシの作成に取り掛かった。 わが家の猫が行方不明になりました℃輪の色、電話番号・名前を書いた名札、毛並み、性格、性別、年齢・・・等、詳細をパソコンに打ち込んだ。 写真を貼付して出来上がった。妻と二人で町内会10ブロックの役員宅を訪ね回覧してくれるよう必死に頼み込んだ。妻の顔は雨と涙で濡れていた。
車をそっと動かしてもらい、ミーを抱きあげた。穏やかな目をしていた。手足身体は既に硬直していたが、尾はまだ生きているのかと錯覚するほど、柔らかな感触が手に伝わってきた。強く抱きしめ頬ずりをした。 「ミー何故こんな姿に・・・」妻も私も涙がとめどなく流れ落ちてきた。 「ミーごめんよ、こんな危険な所に連れてきてお前の命を縮めてしまったんだね」思わず心の中で叫んだ。 何かに驚いて飛び出し、Nさんの車庫に面した道幅4〜5mの道路を横切ろうとして車と接触したのだろう。一瞬早く横切っていれば・・・一歩前に出るのが遅ければ・・・。必死の思いでわが家に帰ろうとしてNさん宅の車の下に潜りこみ、そして力尽きたに違いない。遺体を抱きかかえ我が家に戻った。 タオルで身体をきれいに拭き、柔らかい毛布に包み籠に入れた。目を少し開けたままじっと私を見つめている。庭の花を摘み取り毛布の上に降りかけた。 涙がまたこぼれ落ちた。 T病院に電話をし「もう注射の必要がなくなりました」と告げた。先生がペット霊園を教えてくれた。 「明日、個別立会い火葬をお願いします」霊園に電話をした。冷たい雨が降る悲しく、つらい夜だった。 |
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