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表1 消費者保護基本法

第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は,消曹者の利益の擁護及び増進に関し,国,地方公共団体及び事業者の果たすべき責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともにその施策の基本となる事項を定めることにより,消費者の利益の擁篠及び増進に関する対策の総合的推進を図り,もって周民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

(国の責務)
第2条 国は,経済社会の発展に即応して、消費者の保護に関する総合的な施策を策定し,及びこれを実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第3条 地方公共団体は,国の施策に準じて施策を講ずるとともに,当該地域の社会的,経済的状況に応じた消費者の保護に関する施策を策定し,及びこれを実施する責務を有する。

(事業者の責務)
第4条 @ 事業者は.その供給する商品及び役務について,危害の防止,適正な計量及び表示の実施等必要な措置を講ずるとともに,国又は地方公共団体が実施する消費者の保護に関する施策に協力する責務を有する。
A 事業者は,常に,その供給する商品及び役務について,品質その他の内容の向上及び消費者からの苦情の適切な処理に努めなければならない。

(消費者の役割)
第5条 消費者は,経済社会の発展に即応して,みずからすすんで消費生活に関する必要な知識を修得するとともに,自主的かつ合理的に行動するように努めることによって,消曹生活の安定及び向上に積極的な役割を果たすものとする。

(法制上の措置等)
第6条 @ 国は,この法律の目的を達成するため,必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。
A 政府は,この法律の目的を達成するため,必要な財政上の措置を講じなければならない。
●5月30日は何の日?
 1978年消費者保護基本法制定10周年を記念して5月30日を「消費者の日」と定めた。また,ケネディ大統領が消費者の権利を宣言した3月15日は国際消費者機構により「世界消費者権利の日」と定められている。  


表2 消費者の権利と責任…IOCU(国際消費者機構)

(久保田裕子・国民生活センター調査研究部「国民生活研究」第27巻第3号)
●IOCU・消費者の8つの権利
@生活の基本的ニーズが保証される権利(The Right to Basic Needs)
A安全の権利(Tbe Right to Safety)
B知らされる権利(Tbe Right to be Informed)
C選ぶ権利 (The Right to Choose)
D意見を反映される権利(The Right to be Heard)
E補償を受ける権利(Tbe Right to Redress)
F消費者教育を受ける権利(The  Right to Consumer Education)
G健全な環境の中で働き生活する権利(The Right to Healthy Environment)

●lOCU・消費者の5つの責任
@批判的意識(Critical Awareness)……商品やサービスの用途,価格.質に対し,敏感で,問題意識をもつ消費者になるという責任
A自己主張と行動(Action and Involvement)……自己主張し,公正な取引を得られるように行動する責任
B社会的関心(Social Responsibility)……自らの消費行動が,他者にあたえる影響,とりわけ弱者に及ほす影響を自覚する責任
C環境への自覚(Ecological Responsibility)…自らの消費行動が環境に及ばす影響を理解する責任
D連帯(Solidarity)…消費者の利益を擁護し,促進するため,消費者として団結し,連帯する責任  

表3 消費者問題のおもな動き

消費者問題・運動など 消費者問題・運動など
1965年
1966年
1967年
1968年
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
1975年
1976年
1977年
1978年

1979年
1980年

1981年
アンプル入り風邪薬によるショツク死
ユリア樹脂製食器からホルムアルデヒド溶出
ポッカレモンの不当表示事件
カネミ油症事件発生
欠陥車問題発生
カラーテレビの二重価格で不買運動
消火器の訪問販売,問題過剰包装追放運動広がる
SF商法で苦情続出
PCB汚染問題,オイルショックによる物不足騒ぎ
AF2追放運動,石油業界価格協定開催
合成洗剤追放運動,マルチ商法問題
欠陥住宅問題化,サラ金被害問題
化粧品被害訴訟,円高差益還元を要求
サラ金被害続出,放射能照射の粉末野菜を使用したベビーフードが市場に出回る
原子力発電の安全性問題,金の先物取引被害問題
過酸化水素安全性問題,子どものためのテレビコマーシャル規制要求高まる
空きかん回収条例制定へ,「成形肉」の細かい表示 義務を申し入れ
1982年
1983年
1984年
1985年

1986年
1987年

1988年
1989年

1992年

1993年
1995年
1997年
金の現物まかい商法横行
「サラ金2法」成立,水銀乾電池回収問題
健康食品のアームによる偽薬の摘発が急増
「豊田商事」商法く金の現物まかい商法),輸入ワインからジエチレンタリコール検出
海外(金融)先物取引会社の破嵐事務所開銀相次ぐ 霊感商法横行,家庭用カビ取り剤で次亜塩素酸系と酸性系を同時使用で主婦死亡
新ネズミ講「匡利民福の会」損害賠償請求事件消費税の苦情・相談殺到,フロン全廃宣言を採決(へルシンキ会議),プリペイドカード法成立
地球サミット開催(ブラジル),多重多額債務で自己破産相次ぐ,若者にマルチはかい)商法まん延
環填基本法成立
製造物責任法施行
地球温暖化防止京都会議開催

(「ハンドブック消費者’96」経済企画庁,「歴史から学ぶ消費者問題」東京都消費生活センター,「月刊消費者No.359」財団法人日本消費者協会,「日弁連消費者問題ニュース第2号」)


表4 PIO−NETで受け付けた悪質商法相談件数ワースト5

* PIO-NET国民生活センターと各地方自治体の消費者センターをコンピュータで結ぶ全国消費生活情報ネットワークシステムのこと。全国の悪質商法の苦情や相談について知ることができる。
順位 商法 商品・サービス 被害者の特徴など
1位 電話勧誘 各種資格取得講座.英会話教材 若  者
2位 マルチ(まがい)商法 浄水器・羽毛ふとん・イオン整水器 若  者
3位 アポイントメントセールス 英会話教材・会員権・録画済みテープ 若  者
4位 SF商法 羽毛ふとん・磁気マットレス.磁気治療器 高齢者
5位 キャッチセールス 化粧品セット・美顔・エステティツク 若い女性


●内容証明について

 内容証明は,いつ,どのような内容の文書を,だれが,だれに差し出したのかを郵便局が証明する制度で,文書の内容を,後日の証拠として残しておく必要がある場合に利用される。受取人に届いたかどうかが明らかにされなければ目的が達せられないため,普通,同時に配達証明とする。急ぐ場合は,速達にもできる。  差出人は5年以内に限り,差出郵便局の保管する謄本を閲覧し,その内容が内容証明として,差し出されたことの証明を受けることができる。この場合,差出人は,内容証明郵便を差し出したとき交付される「書留郵便物受領証」を提示しなければならない。