Q&A11  定年退職前後にすべき手続きとその簡単な流れ

川瀬 尚孝

IMI研究員
川瀬社会保険労務士事務所主宰、
CFP(ファイナンシャルプランナー)


QA11  定年退職前後にすべき手続きとその簡単な流れ
QA12  個別の手続きについてもっと詳しく教えて?まず、健康保険について
QA13  年金の手続きについてどのようなものがありますか?
QA14  雇用保険の手続き

 主人がもうすぐ会社を定年になりますが、その後の年金や健康保険の手続きにはどのようなものがありますか? 教えてください。     
 
 
 この項では退職前後にやっておくべきこと、確認しておくべきことを列挙して、まず手続きの流れを説明します。詳しい内容はQ12以降で解説していきたいと思います。 
 サラリーマン時代は、会社が手続きを代行していましたが、定年後はすべて自分で行わなければなりません。

 退職前に確認すること
1.通常会社が預かっていることが多いのですが、「年金手帳」(または「厚生年金保険被保険者証」)があるかのチェックを行い、紛失等の場合、勤務先管轄の社会保険事務所に年金手帳の再交付申請をする。(その際厚生年金加入者は年金手帳紛失についての事業主の証明印を申請書に押印してもらう必要あり。) 2.「年金手帳」が2冊以上あった場合は、社会保険事務所で基礎年金番号に1本化してもらう。 3.退職6ヶ月くらい前になってから社会保険事務所へ行って、年金額の試算を行う。(年金の受給権発生日前1年以内にならなければ、試算することはできないことになっています。) 試算をする時に持参するものは、年金手帳(または厚生年金被保険者証)と認印、本人を証明するもの(運転免許証、パスポート等)です。代理人(夫の年金額を妻が聞きにいく場合等)がいく場合はその他に委任状が必要になります。

 退職後の手続きの流れ

1.健康保険組合の任意継続被保険者になる場合、退職日の翌日から20日以内に健康保険組合で手続きをする。また、政府管掌の健康保険の任意継続被保険者になる場合、退職日の翌日から20日以内に勤務地管轄の社会保険事務所で手続きをする。

2.国民健康保険に加入する場合、退職日の翌日から14日以内に市区町村役場で手続きをする。また、国民健康保険の退職被保険者になる場合は、年金証書が届いた日の翌日から14日以内に市区町村役場で手続きをする。

3.勤務先管轄の社会保険事務所で特別支給の老齢厚生年金の受給手続きを受給権の発生後行う。また、厚生年金基金に加入している場合は基金に対して年金給付の申請をあわせて行う。

4.会社から退職後、10日以内に離職票を受け取る。離職票が10日以上たっても手に入らない場合は会社等に問い合わせる。

注意:平成10年4月1日以降に年金の受給権が発生する人は、厚生年金と雇用保険の基本手当のどちらかを選択しなければなりません。ただし、公共職業安定所(ハローワーク)で先に雇用保険受給の手続きをしてしまうと、雇用保険の支給が優先されてしまうことになります。そのため、厚生年金の受給と雇用保険の受給のどちらが得か考えておく必要があります。


5.自分の住所地管轄の公共職業安定所(ハローワーク)に「離職票」と「求職票」を提出して、雇用保険の給付の資格があるかの確認を受ける。

6.配偶者が60歳未満であれば、国民年金の種別変更の手続きを市区町村役場で行う。(サラリーマンの妻は第3号被保険者になりますが、夫が退職すると第1号被保険者に変更になり、毎月の保険料負担が必要となります。)


7.受給資格決定日から約1月後に雇用保険の基本手当の支給が開始されます。

8.次の指定された日時に失業認定申告書を持参し、公共職業安定所(ハローワーク)に行く。そして、失業の認定を受ける。(4週間に1度)


9.手続きを行ってから2、3ヶ月後に社会保険庁から厚生年金の「裁定通知書」と「年金証書」が送付されてきます。


10.     健康保険組合の特例退職被保険者になる方は、年金証書到着後、3ヶ月以内に申請を健康保険組合に行います。


11.     給付の申請から約3,4ヶ月後に特別支給の老齢厚生年金の受給が始まります。(雇用保険の基本手当を受給している場合は、受給完了後からの支給となります。)


12.     雇用保険の基本手当の支給が終了(定年退職の場合、通常300日が多い。)

13.     雇用保険の基本手当の受給期間が終了(通常、離職日の翌日から1年後)


14.     自分の住所地管轄の税務署に所得税の確定申告を3月15日までに行う。(毎年2月16日から3月15日まで)


15.     住民税に関しては、前年の所得に対して課税されるので、定年退職の翌年は収入が年金だけであってもかなりの額になることがあります。そのため、在職中の住民税を参考にして用意しておくとよいでしょう。(6月上旬頃、市区町村役場から納付書が送られてきます。)
 以上がおおまかな流れです。すべての手続きが該当するわけではありませんが、参考にして下さい。