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PART3
近代的センスで、経営方針を決める
家族全員で話し合って決めるといっても、出てくる意見はまちまちです。ですから、最終的な決定をし、それに対して全責任をとるという人が、どうしても必要なのです。
社長の任期は2年が最適です。なぜならば、この社長業務は、かなり長い見通しをもって基本方針を決め、責任をもって遂行していくわけですから、3か月や半年で基本方針が変わったのでは困るのです。
1年目はきっと試行錯誤のくり返しで、いろんな失敗があったり軌道修正の必要も出てくるでしょう。しかし、2年目になると、思ったよりもうまくできるようになるものです。でも3年も続くと、ちょっとマンネリ化してフレッシュな意気込みが消えてしまうので<、2年くらいがちょうどいいのです。
ただし、ここでしっかりわきまえておかなければならないのは、社長イコール最高権力者ではないということ。ワンマン社長の会社は、時代から取り残されてしまいます。家庭株式会社は、近代的なセンスにあふれた経営方針でいきたいものです。
社長の大切な仕事は、経営戦略会議、すなわち「家族会議」をときどき招集して、家族の意見を聞き「家庭経営の基本方針」を決め、それがうまく進行しているかどうかを見極めるところにあります。
夕食後でも、休みの日でも、家族でゆっくりくつろぎながら、わが家の家庭経営について話し合うなんて、楽しいと思いませんか?
では、この家族会議では何を話し合うのでしょう。
お金のことはもちろん、仕事のこと、学校のこと、友人・知人のこと、それこそなんでも話し合えるのが理想です。
今、世の中全体の分業化が進んでいますが、家庭でも同じ状況です。夫は製造、営業部門だけを担当して一生懸命働き、少しでも多くお金を稼ぐことを考えているとしたら、妻の方は、子どもの教育をはじめ管理部門を一手に引き受けて頑張っています。
役割分担がキチンとしているのは大変いいことなのですが、お互いに意志の交流がいつの間にかなくなっているのではありませんか?
「おれは一体、何のために働いているのだろう」と夫が自問自答すれば、妻もまた、「このまま子育てと家事とで一生を終わってしまうのかしら」と悩む。子どもは「勉強、勉強と追い立てられるけど、何を目的に勉強しているのだろう」と考えるという具合に、互いに疎外感にさいなまれているかもしれません。
家族だから何も言わなくてもわかっていると思うのは間違いです。やはり、面と向かって口に出して意志の疎通をはかる必要があります。
家族の考え方がバラバラだということは、企業でいえば生産部門と管理部門の働きが食い違っていることになり、これでは生産性は向上しないし、資産形成もうまくいきません。
夫は仕事上の悩みや昇進の見通しなどを語る、妻は教育上の問題などもどんどん話す、子どもも成長期のいろんな悩みを打ちあける、そんな和気あいあいの雰囲気の中から「わが家(家庭株式会社)の基本方針」を決めていくようにすることです。そうすれば、互いに理解し確認し合え、すばらしい協力体制も作られていきます。
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