経営の根幹は、家庭も会社も全く同じです。

「家庭株式会社」宣言
(健全な家庭を築くために)
家庭経営10か条
@家庭のコミュニケーションを大切に
A家庭の生活設計をきちんと数字で把握する
B自己責任
C情報分析力を養う
Dパーソナルバランスシートで我が家の総資産を点検する
  (危険分散することに注意を払う)
E支出のどこを削りどこを増やすか、自前の消費者物価指数を把握する
F多様化する金融商品などに惑わされない
G現在以上に借金を増やさない
H本当に必要なものには投資する
I家庭情報ネットワーク作り強化

part1 家庭を経営する感覚を養う

part2 役割分担を決めて、経営する

part3 近代的センスで、経営方針を決める

part4 方針や計画は、長期・中期・短期に分けて立てる

part5 家計管理に「自己資本比率」の考えをとり入れる

 

家庭を経営する感覚を養う

●家庭だって倒産する


 “最近、家庭倒産が増えている”といったら、企業じゃあるまいし、家庭が倒産するなんて……と、あなたは思いますか? 倒産というのは、その企業が振り出した小切手や手形が不渡りになることで、個人の家庭では小切手や手形は使わないから、倒産なんてあり得ないと。

 ところが、家庭にだって倒産はあるのです。

 企業が不渡りを出して信用を失い、銀行取引停止処分などのペナルティを受けるのと同じように、個人だってお金のトラブルを起こせば、銀行はもとより、すべての金融機関から追放されるという事態におちいってしまうのです。

 

 金融機関に「不良客情報」、いわゆるブラックリストがあるのはご存知でしょうか。

 ローンの支払いが終了しないうちに行方をくらました人、支払う意志はあってもお金がなくて支払えなくなり、何か月もコゲついたままになっている人などの情報がインプットされたものです。こういう人は一つの会社で問題を起こすと次の会社に切り替えたりして、いくつかの会社を重複して利用することがあるので、金融機関ではブラックリストを一か所にプールして、貸倒れを防ごうとしています。

 もしあなたが、クレジットカードで買い物をしたが決済できなくなったとか、住宅ローンが返せなくなったとかのトラブルを起こして、このブラックリストに載ったとしたら、個人の信用は一気に丸つぶれ。ローンやクレジットを申し込んでも、もうどこの金融機関でも、一切受けつけてはくれません。そして一度ブラックとしてインプットされたら、5〜7年間はその汚名は消せないのです。現代は、クレジットカードや銀行自動引落しに代表されるようにキャッシュレス時代、お金が見えない時代なのです。給料振込みも公共料金の支払いも、知らない間に自動的に行われています。

 また、住宅ローンや教育ローン、キャッシングなど家庭レベルでの借金も多く、うっかりして収入と支出のバランスを崩し、とり返しのつかない借金地獄におちいってしまったという例はザラにあります。

 そこまでびどい状態ではなくても、手続きミスやちょっとした度忘れから、トラブルを起こしてしまうことだってあるのです。

これまでのように、主婦一人が家計簿とにらめっこしながらヤリクリに苦心するだけでは、なかなか健全な家計を維持するのはむずかしくなっています。やはり、家族みんなが、わが家の家計の状態を知って協力することが必要です。

●無関心さが家庭をダメにする

 家計管理というのは本来妻とか夫とかの、どちらか一方が行うべきものではありません。
「わが家の資産がどれくらいあるのかをまったく知らない
夫」 「住宅ローンの残高がどれくらい残っているのか、その利息がいくらなのかを知ろうともしない妻」「結婚して30年になろうとしているのに夫の給料明細を見たこともない妻」「母親が家計のやりくりに四苦八苦しているのに平気でムダづかいする長男の高校生」「普通預金の利息すら知らない家族」 など枚挙にいとまがありません。
 最近の家計診断の中に、マイホームの購入を妻が一人で決めてしまった、という例がありました。

妻が夫の知らない間に多額の借金をしていた例もありました。テレビの電話相談で、婚約者の男性に「ブラックリストに載るので、君が代わりに借りてくれ」といわれ、どうしたらいいものか、という相談があありましたが、これから結婚する相手が金銭感覚のない男性なら、将来見込みがないから婚約破棄したらとアドバイスしたことがあります。
 飛ぶ鳥を落とす勢いだった不動産業界も、今ではあちこち「バブルの塔」をさらしています。企業も不況対策として厳しく合理化を打ち出してきている。家庭とて例外ではありません。


 健全な企業がバブル崩壊後も景気後退の荒波を乗り越えられるように、家庭の経営もそうあってほしいものです。
 これからの家庭経営は、企業を経営するような感覚で行うべきでないでしょうか。明確な方針を持ち、長期的な展望にたち、家族全員が協力して運営していくことが強く求められています。


PART2