川島英明

IMI主席研究員
弁護士
川島法律事務所 主宰


 

 

 

 

 「就職難」は間違い

大学生の息子を持つ友人が、私の事務所に相談に来ました。「最近大学生の就職が凄く厳しいと聞いていいるんだけれども、息子に何かいい方法はないもんだろうか」

 顧問先の経営者から話しを聞くことがよくあります。経営者は皆一様に「優秀な人材なら是非欲しいんだけど」と言った後に、「実は人材がいないんですよ」と付加えます。私の事務所でも秘書を募集すると70名程度の応募があります。しかし「使えるな」と感じる人材は一握りです。履歴書に「サークル活動」を記載してくる人も多いですが、そのような経験はまったく評価の対象になりません。

 友人も有能なビジネスマンですから、「今の大学新卒の就職面接とかしたことあるよね。どう。一緒に仕事をやれるなと感じる子いる」と聞くと「そうだなごほとんどいないよね」と答えます。「自分の息子ということを離れて、一人の大卒の新人として見た場合に、君の息子は−緒に仕事をしたいタイプかどうか、あるいは今後どう教育したらそういう人材になるかよく考えてみよう」という意見を出しました。

 話合って出した「求めらる新卒人材」の結論は次の4点でした」

@ 学問をきちんと行っていること

 法学部なら法律を、経済学部なら経済をきちんと勉強していることは重欝です。学問の持っている論理性、客観性、視野の広さはどのような仕事でも基礎になります。

A 体が丈夫なこと

 どんなに優秀でも体が弱ければ頼りにされません。

B見聞を広めること

 仕事も「グローバル スタンタード」の時代に入りました。若いうちに世界を見ておくことはよいことです。英語の必要性もどんどん増えています。

C他者への配慮を持っていること

 電車の中で人の迷惑を考えずに携帯電話を使っていたり、お年寄りがいるのに平気でシルバーシートに座っているような人間に、厳しいモラルが要求されるビシネスなどできるわけがありません。

 一種の理想論かもしれません。しかし大学までは遊んでいて、社会人になってから社会教育を受けるという時代は終りました。大卒進入社員の30%が3年以内に転職する時代ですから、企業にしてみれば「新卒社員を採用するか」「社会人経験のある若手を採用するか」という選択ができるようになったからです。

 友人も「よく分った。1年ほど海外に留学させて、単位をきちんととってこなければ学費も出さないことにしよう」と言って帰って行きました。