今から8年前の今頃、5月のことです。当時、父が亡くなり、事業を廃業したのち、自分の手に負えないことが次々と出てきました。長女である私は、くる日もくる日も頭を悩ませ、疲れ切っていました。
そのころ、中日新聞に連載されていた今井森夫先生の家計診断を愛読し感銘を受けておりました。読者の意向を尊重しつつ、厳しく堅実な指南に惹かれ、ついに、先生のご迷惑も顧みず、資料をもって、押しかけてしまったのです。
つたない話を丁寧に聞いて下さった後、「あなた、これだけ考えられるのだったら、税理士をめざしたら」という意外なお返事を頂きました。そしてやっていい事
、やめた方がいい事を的確にアドバイスして下さいました。思ってもみない成りゆきに混乱してしまいましたが、初対面で無礼なことを許して頂いたばかりか、目先のことに捕らわれず、指針を持ちなさいと温かなエールを送っていただいた気がいたしました。
−そうだ、今、抱えている問題は早急にできるものはやって、時間が必要なものは静観しよう。長年、帳簿をつけてきたことを土台にして税のしくみを勉強しよう。自営業者もサラリーマンも経験し、主婦であり、それを生かすことが出来るかもしれない−と久しぶりに大きな力が湧いてきたのです。
実際に受験勉強を始めてみますと、なにしろ学生時代から17年ぶりの勉強です 。若い人が5回やって理解できるなら、10回、20回やるしかないと必死の勉強が続きました。家では、母が家事を全面的に引き受けてくれたり、息子たちが教材を何度も使えるように準備してくれるなどの応援もどれだけ励みになったかわかりません。
そして、今年1月に税理士としてスタートをきりました。幸運にも、卓越した人 生観をもっておられる前田晴彦先生と出会い、ご指導を受け研鑽を積んでいます。現在は法人、個人の巡回監査、決算申告をはじめ、デリケートな分野である相続に
取り組んでおります。相続は机上の理論では扱えない部分があります。時期が確定していませんし、親子間で資産に対する思い入れの違いもあるでしょう。親子でありながら、お互いに遠慮して話し合いがされていない場合がほとんどではないでしょうか。まして、事業を行っている場合は納税資金が事業を圧迫することが考えられるため、後継者と意志統一をする必要があります。相続が争族にならないように、劣化資産の見直しなど事前に対策をたてれますので、私自身、特に力を入れて信頼される税理士をめざしております。
今回、今井先生にご報告を兼ねて挨拶状をお送りしたところ、覚えていて頂いたうえに、お電話を頂戴し、8年ぶりに先生の講演会でお目にかかることができました。あの日と同じ笑顔で労って下さり胸がいっぱいになりました。さらに、ホームページをお借りして発表の場を与えて頂きました。
先生のご厚意に報い、期待を裏切らないように、これからは女性ならではの視点で、家計からみた税金との関わり合いをわかりやすく解説していくつもりでおります。