Q&A1 自分をケアする目を養う!――自画年表のすすめ
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市村由美子 |
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| Q&A1 自分をケアする目を養う!――自画年表のすすめ
Q&A2 自分でできるセルフ・ケアマネジメント Q&A3 健康づくりのためのバイタルサインチェック Q&A4 介護福祉の日常−87歳Aさんのケース Q&A5 ケアマネージャーを選ぶには Q&A6 ケアプラン作りの実践 Q&A7 介護サービス計画の見積もり |
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Q 今後親の介護をしていくことになると思いますが、まず、何から手をつけたらよいでしょうか。 A 私は父の介護に直面したことがこの世界に入ったきっかけです。それまでは介護には無縁の仕事をしていましたから、当時はカルチャーショックの連続でした。周りの看護婦や介護職の方々の見よう見まねで、同じことをしなければいけないと思っていましたから。でもそのうち、 父という人をよく理解したいという思いが強くなり、そういう気持ちで家族として介護に参加するようになりました。その結果、介護というのは、広い意味で、人と人がわかりあうことではないか、と思うようになりました。 その後私は介護の専門性を学びたいと、ホームヘルパーの経験を積み介護福祉士になりました。現在介護歴は8年ほどですが、その間、介護を必要とするお年寄りと接する日々のなか、その方の年齢の重ね方や背景にある歴史に思いをはせながら、生活スタイルにあわせた対応を見つけていくことを心がけてきました。ですから、私のケアマネジメントはその方の育った時代や生活行動を伝えていただくことからスタートしています。 そしてそこに専門的な着眼点を落としこみ、その人らしい介護のかたちを一緒に整理していきます。専門的な着眼点のひとつは、健康や安全にに配慮した、その方の現在の生活の継続ということになります。そしてこの着眼点は、将来介護に参加するかもしれない、家族介護のかたちと同質のものです。 まもなく介護保険がスタートします。介護保険に適応する介護であろうと、適応されない介護であろうと、介護問題というフィールドは、家族を中心として展開されることになるでしょう。 親の介護についてあれこれ考え始めるとき、まず準備をしておくことには大きくわけて2つあると考えます。1つは、両親の住む地域のサービスを把握しておくこと。ただし、地域のサービスについては、これから徐々に整備されていくでしょうから、関係のありそうな情報をストックしておくくらいでよいと思います。 2つめは、これまでとはひと味違った、両親へのかかわり方を意識すること。つまり家族介護として関わろうとしてみることです。お互いがお互いをケアする目を培うようなかかわり方をしてみることです。つまり家族の交流を図ることです。家族介護は、すでにもう始まっているというくらいに考えましょう。その一助としておすすめしたいのが、「自画年表」というツールです。介護される両親も、介護する家族も、すべての人がともに無理なく自主的に介護に参加することができるよう、お互いを理解するために、自分の主張を他者に伝達するために、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
ケアマネジメントの中核としての「個策」 たまにはちょつと立ち止まり、自分の昔のことを振り返ってみる、この『自画年表』に書き込みをしながら次から次へと蘇る記憶の中から思い出した時代の遺産を私どもや次の世代に伝えることで、何かが生まれ育つことにもつながります。 そのうえでなお、自分をケアする目を培い、豊かな人生を築くための生活福祉の環境作りを思い切ってわがままに効率的に選びとる、これこそ“達人のワザ”となるでしょう。 介護の問題もまさに、人に任せればよいというだけでは済まされず、家族や友人、社会サービスを含めたさまざまなメニューを整理し、わからないことや自分でできないことは、私ども専門職のアドバイスを参考にして自分で考え、自分で決める、このような人生を実践しましょう。 無駄な心配や不安、ストレスは無意味です。明治・大正・昭和を生き抜いて来られた個人お一人おひとりの歴史を全うしましょう。私どもは「個策」をケアマネジメントの中核に据え、あらゆる角度からサポートしていきたいと思います。 |