Q&A5  やがて迎える定年前後 困った時の相談窓口は?  

<Q>
 埼玉県熊谷市在住の伊東昭夫さん(57歳・会社員)。定年を数年後に控え、最近いろいろなことが不安でたまらなくなってきた。  はたして、自分はどのくらいの厚生年金が受け取れるのか?退職後の健康保険はどうなるのか?これまで見直すこともなかった生命保険はどうしたらいいのか?ビッグバン後の老後資金運用法は……などなど、わからないことばかりで不安のタネはとにかく尽きない。他の人はどのようにしてこの時期を乗り切っているのか。不安解消のためのいい手だてがあれば教えて欲しい。


【ドクターの診断】  定年は誰もが初めて経験するものですから、過去の経験や見識が通用しないことも多々あります。
     

主な暮らしの相談窓口(お問い合わせ先
年金相談サービスセンター
      新宿年金サービスセンター
03-3343-5171
年金電話   コンピュータ音声対応 ♯8666(全国共通)
全国銀行協会 銀行よろず相談所 03-5252-3772
全国地方銀行協会 業務部 03-3252-5171
日本損害保険協会 損害保険相談室 0120-107808
生命保険文化センター 03-5510-3357
郵政省簡易保険局 お客様相談室 03-3504-4536
JA共済 加入者電話相談窓口 03-5210-3929
日本証券業協会 苦情相談室 03-3669-9815
郵政省の貯蓄相談サービス
         暮らしの相談センター
最寄の郵便局に
お問い合わせ
日本ファイナンシャル・
        プランナー協会
03-3500-5533
http://www.jafp.or.jp/

 自分のなかに「情報」がないのですから、必要な情報の在処を捜し、そうした情報源との接点を常に持っておくことが肝心ですね。少なくとも、どこに情報源があるかを知っておきさえすれば、いまある不安も随分と薄らぐことでしょう。
 もちろん、これまでに多くの退職を取り扱ってきた職場の担当窓口が最も身近な情報源となりますが、それだけでは少々心もとないのも事実です。


 例えば、退職後の健康保険には、職場の健康保険に「任意継続加入」する方法や国民健康保険の「退職者医療制度」を利用する方法などがあります。実用書などには「任意継続加入がオススメ」と書かれている場合が多いことから任意継続を窓口に申し出ると、担当者から「本人負担は変わらないから国民健保でいいのではないか」と言われるケースが、最近は増えていると聞きます。本来、組合健保は多くの場合、各組合独自の「付加給付」という加入者への特典がありますから、一般的には任意継続が選ばれます。健保組合側は付加給付の負担を減らすため意図的に国民健保をすすめているのでしょうか……。


 また、本来の定年よりも早い時期に事実上の退職勧告を受けたため、やむなく会社を離れたというケースで、退職後に会社から送られてきた離職証明書に「本人希望」とあって驚いたという事例も実は少なくありません。いわゆる自己都合による退職となると、失業給付の基本手当を受けるときに不利な扱いを受けてしまいます。こうしたときには、職業安定所で事情を説明し、離職証明書の記述内容を是正してもらわなければなりません。

 かように、退職者への会社側の対応は必ずしも誠意あるものとは言えないケースが多いのです。「職場の担当窓口はあくまで諸々の手続きを依頼するところであり、相談窓口とはなり得ない」といった程度に割り切って、やはり他にも情報源を持っておくことが必要でしよう。 プロが電話相談や個別面談に応じる窓口 年金については各地の「年金サービスセンター」が専門の相談窓口となります。事前に年金手帳の記号番号をひかえておき、センターへ実際に足を運べば、将来の年金受取額が大方わかります。また、年金制度の概要や制度変更の内容などについては、自動音声で回答が流れる「年金電話番」というテレホンサービスを利用するという手もあります。番号は全国共通「♯8666(プッシュホン)」。

 生命保険や個人年金保険については、「生命保険文化センター相談室」が老後の生活設計も含めた各種の相談に応じています。電話で相談するもよし、実際に足を運んで専門家のアドバイスを受けるもよしです。郵便局の簡易保険なら、まずは「郵政省簡易保険局お客様相談室」に問い合わせてみるといいでしょう。
 そして何より、郵政省が全国103カ所に設置した「暮らしの相談センター」は、無料で専門の相談員が有益なアドバイスを与えてくれる力強い味方です。相談内容は大きく、法律、税金、年金、介護、貯蓄に分かれており、各種の相談には弁護士、税理士、社会保険労務士、介護福祉士、ファイナンシャル・プランナーなど、その道のプロがあたります。

 なかでも主力の貯蓄相談では、住宅ローンの相談や老後の生活設計に関する相談から、生命保険の見直しに関する相談、有利な資金運用と各種金融商品・投資法などについての相談まで、幅広いお金の問題をカバーしています。
 郵政省が運営しているからと言って、特に郵便貯金や簡易保険を推奨するわけではありません。最寄りの郵便局に行くと、センターの場所や連絡先を記したパンフレットがありますから、まずは確認。実際に相談を希望する場合は、最寄りのセンターに電話で予約を入れることが必要です。
] その他、退職後の生活に関わるあらゆる問題について、それぞれ専門の相談窓口があります。できれば、因った時にすぐ電話できるように一覧表などを作成し、家計簿に貼り付けたり、電話の近くに置いておくことをお勧めします。

解説書なども有効に活用

 ときに、最近はお金に関わる問題について専門的な観点から多角的に分析・助言することを仕事とするファイナンシャル・プランナーの資格取得者が急増しています。個人で独立して相談業務を行っているファイナンシャル・プランナーを捜す場合は、インターネットで情報検索するか、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会に電話して問い合わせてみるといいでしょう。ただし、一般的に一時間あたり1〜2万円程度の相談料が必要となります。
 さらに、他人の手を借りずに賢いマネープランを実践したければ、自分自身でファイナンシャル・プランナーの資格取得に挑戦してみるのも一手。たとえ合格しなくても、資格取得という目標に向けて勉強してみるだけでも随分と知識が身につくものです。

 もちろん、各種の出版物も貴重な情報源の一つ。月刊のマネー雑誌などを継続して講読するのもいいでしょうし、各種の専門書を手に取り、じっくり勉強してみることも大切です。
 金融ビッグバンの進展で金融商品の種類も多種多様になってきます。明日の資金運用の中核となるであろう投資信託にしても、その種類は数千種に及ぶこととなります。日本人の生きる時間は今後もますます長くなるでしょうから、それだけ厚みのある経済的備えが必要。さらに円安や株安、低金利、インフレなどに負けない資産形成を行うためには、多少なりともリスクを取った積極的な運用姿勢が求められます。
 たとえ退職後の家庭と言えども、もはや「銀行預金と郵便貯金しか知りません」では困ります。長い老後を人並みに豊かに生き抜いてゆくためにも、まずは金融商品の種類や仕組み、長所・短所などについて学んでおきましょう。
 数ある金融商品の解説書のなかでも比較的わかりやすく、しかも廉価(消費税込みで一冊300円)で手に入るのは、日銀内に事務局を置く貯蓄広報中央委員会が編集・発行している「金融商品なんでも百科」。大型の書店で求めるか、最寄りの書店で取り寄せてもらうといいでしょう。

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