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Q&A2 ついに到来した外為自由化時代 外貨と上手につき合うには…

 茨城県日立市在住の大田義次さん(団体職員/52歳)。巷では「外貨預金」をはじめとする外貨建ての資産運用が活発にとり行われているというが、わが家はこれまで外貨というものと付き合ったことがない。何より、その必要に迫られたことがないし、各種商品の特性などもよくわからない。さて、今後はどのようなスタンスで取り組んでいったらいいものか……。いまのうちに少々勉強しておきたいのだが。

 近年、長らく円高傾向が続いたこれまでの時代、日本人にとっては常にその価格が切り上がって行く「円」を持っていることが、何より間違いのない選択でした。そして、その円高基調を支えてきた一つの要因が、規制型の旧外為法の存在だったのです。ということは、この外為法が変われば円の価値自体も変わる。少なくとも、超がつくほどの低金利で、カネ余りなのに投資機会に乏しい日本の円が、今以上にその価値を切り上げ続けるとは考え難いのも事実。どちらかと言えば、緩やかな円安基調が想定されるなかで、円の価値がかつてないほどに脅かされる可能性も否定はできません。
よって、今後は「円さえ持っていれば間違いない」という考え方を捨てることが肝心です。全ての資産を円だけで持つことのリスクを考えれば、必要に迫られて外貨にアプローチする機会も今後はきっとあるでしょう。
 ただ、一口に外貨と言っても、その種類は様々。一体、どの通貨を持つのが最も有効なのでしょう 。その答えは、やはり米ドル。なにも、いたずらに米ドルを神格化するつもりはありませんが、各国が外為の自由化で足並みを揃えることになれば、自ずと国際的な取引は「米ドル化」すると考えるのが妥当です。


 米ドルは流量が大きいだけに相場が崩れにくいうえ、米ドル建ての金融商品は種類が多様で選択肢も豊富。米ドルよりも金利が高い通貨もありますが、高金利イコール高インフレ、つまりそれだけ通貨の価値が切り下がる潜在性をはらんでいるということでもあります。その意味でも、まずは米ドルから。もちろん、手持ちの円を米ドルに換えるだけでは意味がありません。
やはり、外貨保有の第一歩は外貨預金の有効活用から始められるのが定石です。近頃では、日本の銀行も外貨預金の取り扱いには非常に力を注いでいますし、シティバンクをはじめとする在日外銀の動きも活発です。 外貨預金の決済機能に注目を ただし、ご存じの通り外貨預金は、全体に手数料が高く、場合によっては魅力の高金利も手数料に喰われてしまってがっかり。それでも外貨預金に目を向けるのは、外貨建て外国債券や外国投信などと違い、そこに決済機能が求められるからなのです。
例えば、今後、日本にも登場して来る「外貨ショップ」で買物をする場合、外貨預金口座から外貨のまま引き出して支払いにあてることも可能です。この外貨ショップは、おそらく駅の地下街や大手スーパーの一角などに設けられることになるでしょう。いまや東海銀行のように、店頭の機会で米ドルのキャッシュが引き出せるサービスを展開する銀行も登場しており、私たちの日常生活のなかで外貨はより身近なものになって行くはずです。


また、4月からはシティバンク系のクレジットカード会社が、米ドルで決済できるクレジットカードの販売を開始。外貨建ての普通預金口座を持って、このカードを使えば、米ドル建ての代金決済のとき(海外旅行先や国内の外貨ショップにて)、従来の円建てカードのように決済までの時間差からくる為替レートの変動(ことに円安に動いた場合)を気にかけることもなくなります。また、外貨建ての代金決済を外貨で行う場合には、為替手数料もかからずに済みます。
 このように、国内で米ドルをはじめとする外貨が流通し、消費や決済に利用できるようになったわけですから、かつてあった「為替リスク」という概念はなくなります。そればかりか、一時的にも円安傾向が強まったような場合には、逆にその購買力を強める外貨が家計の強い味方となります。

外貨と正しく付き合いメリットを

 それでは、外貨預金を始めたいが、預入期間中に雲行きが変わって、急に円高局面を迎えた場合はどうしたらいいでしょう。外貨預金は原則、中途換金できないケースが多いため、預入時よりも満期時の方が円高だったら、そのぶん為替差損を被ります。外貨のまましばらく口座にプールしておき、再び円安になったら円に転換して使うか、もしくは外貨のまま使うか……。それも悪くないのですが、どうしても必要とあらば「為替予約」を行うことも一つの対応策です。


 為替予約などというと、なにやら難しいことのように思われるかもしれませんが、決して難しいことはありません。最近は、一部の銀行で外貨預金の預入期間中に為替予約できるサービスをはじめているところもあり、これはとても便利です。例えば一年物の米ドル預金に預入した時の為替レートは120円。その半年後に130円まで円安が進んだ場合、そこで為替予約を行えば、満期時の為替レートをその時点の「先物為替予約レート」に確定することができるのです(図参照)。

この先物為替レートとは、満期までの期間や円と外貨の金利差などによって決められるもので、例えばその日の円ドルレートが130円だったとすると、3カ月後は125円、半年後は123円などというようにケースによって異なります。預入期間中の予約レートを確認し、そのレートがまずまずの水準だと思われたら、為替予約を行うことによって、その後の円高リスクを回避することができるわけです。
 ただ、もうお分かりのように、為替予約した後に円安が進んでも、その分の為替差益を得ることはできません。また、一度行った為替予約を取り消すことも、当然のことながらできません。そうしたことをきちんとわきまえて、上手に外貨預金を活用すれば、もう為替リスクなど恐いことはありません。むしろ、外貨と付き合うことによって得られるチャンスを積極的に取り込みましょう。

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