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Q&A2 手持ちの資産を有効活用!より積極的な資産防衛術  

 東京都渋谷区に在住の匿名希望さん(会社員・58歳)。老後の備えにと考え、これまでも多少なり資産形成に努めてきた。預貯金や株式、割引金融債などについては、今後も時機見計らいながら預け替え、見直しを進めて行きたいと思っている。ただ、なかでもどうにもならない資産がある。それが「金の地金」。かつて価格の高い時に購入し、以来そのまま死蔵している。このまま持っておくべきか売却すべきか、はたまた買い増しをするべきか……。資産配分の視点からも、あらためて考えたい。

  多くの日本人にとって「金」はあまり馴染みのない資産です。それもそのはず、国内の金価格は「国際金価格×円・ドルレート」で算出されるため、長年に渡る円高傾向で値下がりを続けてきたのですから……。80年代の半ば以降、年々円高傾向が強まる中で、日本人にとっては「円建ての資産」を持つことが最も正しい選択でした。よって、外貨預金はもとより、外貨建ての株や債券、それこそ金に至るまで、日本人の保有は進まなかったわけです。

 しかし最近は、周知の通り外貨建ての資産を何らかの形で保有するのが一種の流行。それは、国内の低金利に嫌気がさしたということもあるでしょうが、何より「円建て資産以外の資産を保有することで、全体的な資産のリスク配分を調整する」という意識が浸透してきたからに他なりません。つまり、円はかつてのように絶対ではなくなり、場合によってはリスクとも成り得るということです。 金は金融の健全性懸念とは無関係  それにしても、だから「金」という発想はなかなか浮かびませんね。最近は為替レートこそ円高傾向が見て取れるものの、肝心の国際金価格が下降気味。その水準は、ひところ18年ぶりの安値圏にまで下落しました。その主因は、通貨統合を目前に控えた欧州各国が大量に金を放出したことと、昨今のアジア経済の混乱にあると言われています。相場の先読みがあまりに難しいようでは、とても投資にはおぼつきません。

 ただ、最近は「どうやら国際金価格の低下傾向もそろそろピークアウトしたのではないか」という見通しがあちこちで語られるようになり始めたのも事実。まさに“神のみぞ知る”ところではありますが、近頃、商品取引会社や地金商などの店頭に多くの富裕層が足を運んでいると言う事実は、少々注意してみておきたいものです。なにより、短期的な値上がり益を得る目的ではなく、金という現物資産を保有する意味合いそのものに、今後は目を向けて行きたいもの。金は、他のすべての資産について問題とされる金融の健全性に関する懸念とは無関係ですし、当然、インフレにも強い。別に、信用不安が高まるとかインフレがやって来るなどと言うつもりはありませんが、これからはそうした万一の事態に備えるための“防衛姿勢”を少々強めておくことが肝心なのではないでしょうか。

 なかには「金は利息がつかないから……」と敬遠する向きもあるでしょうが、実は「さにあらず」。昨今は、金の地金を国際的なリース市場で一定期間運用し、比較的有利なリース料金を得る仕組みの新しい商品が、一部の銀行や商品取引会社などで盛んに取り扱われるようになっているのです。 預貯金以外の資産に適正配分を  例えば、住友銀行が募集取り次ぎを行う「純金定期運用プラン」は、投資家が手持ちの金地金を住友商事に寄託することで確定利回りが得られる商品(図参照)。募集単位は100?以上100?単位で、運用期間は1年。投資家が得る「寄託料」は年率で1.0%となっており、仮に100?の金を1年間この商品で運用すると、1年後には101?の金を受け取ることができます。もちろん運用期間満了後は金を売却して現金で受け取ることも可能。こうした商品の登場により、死蔵している金に利息が付くうえ、金の保管場所に困ったり、保管料の負担を強いられたりすることもなくなるわけです。

 手持ちの金地金がない場合や保有量を増やしたい場合には、新規に地金を買い付けると同時に寄託・運用できる商品を利用するという手もあります。こうした商品は、主に商品取引会社などが取り扱っており、その年利率は手持ちの地金を持ち込む場合より、新規に買い付けることを条件とした場合の方が0.2〜0.3%高くなっています。最近は、店頭公開市場に株式を公開している商品取引会社なども増えていますから、そうした知名度の高い業者を訪ね、一度、商品を研究してみてはいかがでしょう。
 もちろん、金に限らず円建ての預貯金以外の資産に適正配分するという視点は、これからどんな家庭にも必要になります。円安になったら、円資産の目減りを外貨建て資産でカバー。株安になったら、株価下落による資産の目減りを「商品ファンド」などで補う(かつて米国市場でブラック・マンデー・株価大暴落が起こったとき、商品ファンドは圧倒的な好成績を挙げたと言われる)。その他、様々な資産に小口配分することで、先読みの難しい時代に対抗する手段をしっかりと講じておくことが、より積極的な資産防衛術になると思われますがいかがでしょうか。