Q&A8 確定拠出年金「401K」
Q 静岡県沼津市・戸辺千尋さん(45歳・主婦)。主人の会社が不況のあおりを受けて、これまで加入していた年金の団体から脱退するというようなことを聞きました。今、アメリカなどでは新しい考え方の年金制度があるということですが、教えてください。
運用次第で支給額が変わることも
A
最近にわかに注目されているのが、別名「401K」とも言われている「確定拠出型年金」です。掛け金の運用結果で、将来の支給額が変わる年金のことです。
これに対して、わが国の年金制度は、「確定給付型」が中心で、将来の年金額を先に決め、それに見合うよう掛け金や運用益を確保していくものでした。
401Kは、米国で1978年に制定された歳入法第401条K項に基づいた確定拠出型年金の一つ。米国では、この確定拠出型が1980年代から急速に普及しています。税引き前の所得から掛け金が天引きされ、59・5歳を過ぎれば運用益も非課税となる税法上の特典が人気の一因といえましょう。
従業員の掛け金に、企業が任意で上乗せし、運用は、企業が提示する株式、債券、投資信託などから従業員が選択します。
大企業の多くは、確定給付型を補完するために採用していますが、社員の転職が多いベンチャー企業などでは401Kだけ、というケースも多くあります。401Kでは、従業員ごとに勘定を設定、資産残高の変動を記録・管理する。インターネットなどで、いつでも自分の資産残高の照会や運用先の変更が可能です。
ですが、良いことずくめはかりではありません。いくら年金が受け取れるかが確定しないので、老後の生活設計が立てにくいことがあげられます。リスクの大きな運用をして失敗したり、逆にリスクを恐れ消極的な運用をしてしまうこともあります。資金運用のリスクは、征業員が負わなくてはなりません。
一方、わが国の現在の企業年金は、予定した給付に見合う運用益を確保することが難しい。ほとんどの企業は、将来の年金や退職金灯支払いに備える積立金が本来必要な額より不足しています。
その上、企業会計基準が変更され2000年度からは、この不足額を債務として計上しなくてはならないために、悩みは一層深刻です。そのためにも、企業の掛け金の追加負担の必要がない確定拠出型年金の導入に積極的なのでしょう。
ですが、導入には、制度の仕組みや運用方法の情報開示、従業員に対する運用教育の徹底など、研究すべき課題は多くあります。
