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Q&A4  50歳からの財産管理・整理術  

 
神奈川県川崎市在住の篠田実さん(会社役員・51歳)。最近、雑誌の特集なとで人間の「死」に関する特集記事をよく見かける。老後の経済生活や介護等の問題はもとより、死後の財産処分や葬儀、お墓など、と意外に重要な課題が数あることにあらためて気付く。より具体的な事柄について、いま一度、きちんと整理しておきたいと思うのだが、果たしてドクターのお考えは?

 人間、50代ともなればそろそろ両親を送り出し、自分のゆく先々のことを考えなければならない年頃。定年後の暮し向きをどうするか、子どもたちとの同居・別居の問題など考えなければならない問題が山積しています。
 とくに核家族化が進行している今日では、自分の財産の処分や自分のお墓をどう残していくのかが大きな問題。こうした問題に対して、一つひとつ答えを出していくのが人生というものなのかも知れません。

 これから先のこと、すなわち老後のすべての計画やそれへ向けての行動などは、「死」を意識したときにより切実でかけがえのないものになるはずです。そろそろ、自分の「死」というものとしっかり向き合っていかねばなりませんね。  まず一つには、老後の資産管理の問題。金融資産の運用スタンスやその具体的方法はもとより、自分が要介護状態になったり、高度障害や死亡という状況を迎えたときに、周りがあたふたしてしまわないように、資産の所在を明らかにし、その管理方法や家族への継承などに関わる取り決めを前もってしておくことが肝心です。

 第一に、基本的な財産目録のフォームを作成し、定期的に内容を更新・管理しておくといいでしょう。自分の資産が、どこに(どの金融機関に)、どれだけ(時価評価額)どういった形(商品の種類)で存在しているかといった情報を、家族全員で共有できるようにしておくわけです。
 余談になりますが、破綻した山一証券には、いまも引き取り手の現われない資産が数10億円あり、そのなかには既に亡くなられた方の資産も数あると推測されています。その方に身寄りがなかった場合を除けば、家族が資産の存在を知らないということもあるのでしょう。くれぐれもそのようなことがないように。

各自治体独自のサービスもチェック

 また、現在お住まいの川崎市には、高齢者や障害者等の在宅生活を支援するため、大切な財産を預かる「財産保全サービス」と金銭の支払いや金銭に関わる諸手続きの代行をする「財産管理サービス」の制度があり、財団法人川崎市在宅福祉公社というところが運営しています。  財産保全サービスとは、公社が利用者の財産(預貯金の通帳、有価証券、証書、印鑑登録済印など)を金融機関の貸金庫で保管するサービスで、65歳以上の高齢者や障害者の方などが本人の意志で申し込みます。

 一方の財産管理サービスは、公社が利用者に代わって預貯金の出し入れや公共料金の支払い、入退院費用や住居補修費の支払いなどを代行するサービス。利用規定やかかる費用などをあらかじめ知っておくことで、イザというとき安心して利用できるように心積もりしておくといいでしょう。  もちろん、全国的にはまだ数少ないサービスですが、今後は徐々に各自治体に広がっていくことでしょう。
 他方、最近になって俄に利用度が高まっている「遺言信託」についても、ある程度の情報と知識を持っておくことが必要です。この遺言信託は、信託業法で認可を受けた信託銀行等の民間金融機関などが、遺言書作成の相談から、遺言書の保管・管理、利用者の死後には遺言書の内容に沿って資産配分を行うまでのサービスを、一手に引き受けてくれる制度です。遺言の執行や財産管理を子供たちなどに委ねると、とかくトラブルが発生しがちなものです。そんな時代背景から、最近では保有資産額1億円以内のサラリーマンの利用も増えていると言います。

 さらに、近頃は高齢化の進展とともに、自分で自分の「旅立ち」のスタイルを選び、準備する人が増えているという話をよく耳にします。生前から葬儀や遺言のスタイルを自分でテザインし、さらに葬儀にかかる費用も自ら準備することが「自らの死をより尊厳あるものにする」という考え方として、いま確実に根付き始めているのです。 人生最大のイベント死と向き合う  そんな人々のニーズに応えるべく、平成7年4月に保険・通信・葬儀の各分野を代表するトップ企業らが「FAN倶楽部」という新たなシステムを旗上げ。1人(または夫婦で)1万円支払って会員になると、葬儀内容のプランづくりから、葬儀費用の見積り、実際の施行までの生前予約、それに訃報連絡の必要がある人のリストをあらかじめデータ化し、実際に電話による連絡を代行してくれるサービスなどが利用できます。他にも、健康や医療に関する無料の電話相談、シンポジウムや講演会、旅行などの案内、会報の発行など、各種サービスはかなりの充実度です。

 肝心な葬儀費用の準備については、東京海上火災保険と東京海上あんしん生命がそれぞれに持つ保険商品でサポート。ことに、東京海上あんしん生命が扱う「終身保険 葬儀費用プラン」は、前述のFAN倶楽部とドッキング(生前委託契約の締結)することによって、葬儀費用の事前準備をより確実なものにします(図参照)。もちろん、既に終身保険に加入している人は、費用面以外のサービスのみ利用することも可能です。  ある調査によれば、主要都市部における葬儀費用の平均はおよそ355万円程度。最低限の終身保険で葬儀費用を準備し、その費用で自分が生前にデザインした葬儀を確実にとり行うための会員制度。こうした生前契約・生前予約の制度は、FAN倶楽部の他にも数ありますから、事前にサービス内容などに関わる情報を集め、じっくり検討してみることが肝心です。
 これからの時代、押し着せでない自分流儀の死を自らが演出したい、残された家族に最大限配慮したい、と考える人はますます増えることでしょう。人生最大のイベントでもある死とそれに向かうプロセスを自分で大事にデザインして行きたいものですね。