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鈴木 恵子 |
○税理士をめざして ○妻の収入と税金(2000.6) ○マイホームの名義と税金(2000.7) ○マイホーム購入は税金等も考えて(2000.8) ○災害にあったときの税金(2000.9) ○年金を受け取ったら(2000.11) ○源泉徴収票をよく知ろう(2001.1) ○住宅取得資金の贈与枠拡大(2001.5) ○住宅借入金等特別控除(2001.11) |
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年金を受け取ったら
長年の勤務を終え、やっと年金生活を送れると思ったら年金にも税金がかかると知り、驚かれる方も多いことでしょう。
公的年金や私的年金にかかる税金(所得税)はどうなっているか、確定申告は必要あるのかみてみましょう。
I 公的年金にかかる税金
雑所得として課税されますが、他の雑所得と区分します。
また、公的年金の性格を考慮して大幅な控除額があります。
(1)公的年金の種類
代表的なものは次のようなものです。
1 国民年金法、厚金年金保険法、地方公務員等共済組合法などの法律に基づく年金
2 恩給(一時恩給を除く)
3 適格退職年金
(2)所得の金額
公的年金等の収入金額−公的年金控除額
(3)公的年金控除額
65歳未満であるかどうかの判定はその年12月31日の年齢による
(4)源泉徴収
支払いの際に次の税額が源泉徴収されます。
@ 「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(以下、扶養親族等申告書という)を提出している場合
源泉徴収税額=イ−ロ
イ 公的年金等の収入金額 − 一定の控除額)X 10%=A
ロ A X 20%(年金定率控除額)
一定の控除額とは公的年金等控除額と扶養親族等申告書に記載した配偶者控除
などの人的控除額をいいます。
なお、実際の源泉徴収税額は月割額で計算しますので多少誤差がでます。
A 「扶養親族等申告書」を提出していない場合
(公的年金等の収入金額−公的年金等の収入金額X25%)X10%
ただし、公的年金等(適格退職年金を除く)の金額が178万円(65才未満は
108万円)未満の場合は源泉徴収及び扶養親族等申告書の提出を要しません。
Aのように社会保険庁に扶養親族等申告書(はがき)を提出し忘れると、
控除額が年金収入の25%で計算されるので、要注意です。
例えば、65才で年金が180万円だとすると提出していれば、控除額は
140万円(公的年金等控除額)+50万円(老年者控除)+38万円(基礎
控除額)=228万円で天引き(源泉徴収)されません。提出がない場合は
180万円X25%=45万円が控除額となり、(180万円−45万円)X
10%=13.5万円が天引きされることになります。この税金は確定申告すれ
ば取り戻すことはできますが、手間がかかりますので、ぜひ毎年、扶養親族等申 告書を提出しましょう。 また、提出していても、生年月日だけの記載で老年者にマークをつけていないた
め、控除されず、不要な源泉徴収をされるケースもよく見受けられます。手引き に従って該当個所の記入を忘れずにして下さい。 平成13年分のはがきが送られてくる頃です。13年分の扶養親族等申告書の
年齢の判定は平成13年12月31日時点になりますのでお間違えなく。
12月4日が提出期限です。
(5)確定申告
他の所得があれば、合わせて確定申告することになります。
公的年金等のみの収入で源泉徴収されている方は国保、生保、損保の
保険料控除などがあるときは確定申告すると還付を受けることができます。
その際には社会保険庁から送付される公的年金等の源泉徴収票が必要です。
他の証明書とともに申告書に添付します。
II 私的年金にかかる税金 生命保険契約等又は損害保険契約等に基づく年金は雑所得として
課税され、公的年金等とは区分して計算します。
(1)所得の金額
その年に支給される年金の額(A)−(A)X 保険料又は掛金の総額
年金の支給総額(見込額)
(2)源泉徴収
雑所得の金額の計算に準じて計算した金額の10%相当額の所得税が源泉徴収
されます。 ただし、その金額が年額25万円未満の場合は源泉徴収されません。
保険会社から計算書が送られてきますので忘れず保管しておいて下さい。
III 他の所得がある場合 給与所得があるので年金の受給の申請手続きをせずに、所得が減った段階
(社長を退任した時など)で、過去の分を遡及して受給しようとしても
受給した年度の収入ではなく、各年ごとの支給日の収入になりますので、過去
の確定申告を修正することになります。節税面からいえば意味がないでしょう。 IV 計算例 65才 専業主婦の妻がいる場合
所得の金額
不動産所得
50万円
雑所得
(1) 公的年金にかかる所得
収入金額250万円−控除額140万円 110万円
(2)(1)以外にかかる所得 (源泉徴収税額 0)
私的年金
収入金額100万円−必要経費70万円
30万円
(源泉徴収税額3万円)
合計
190万円
所得控除額
生命保険料控除 (例) 5万円
損害保険料控除 (例) 0.3万円
老年者控除 50万円
配偶者控除 38万円
配偶者特別控除 38万円
基礎控除
38万円
合計 169.3万円
差引
20.7万円
税額計算 この場合の税率 10% 20700円 定率減税額 上記の20% 最高25万円 4140円
源泉徴収税額 30000円
還付税額
13440円
結論としては各種控除がありますので、税金がかかるほどの公的年金を 受け取ることはあまりないと思います。ただ、扶養親族等申告書には 正確に記入することが大切です。
障害年金、遺族年金は非課税となっています。
(平成12年11月)
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